脳科学と瞑想

新元号が発表になりました。

「令和」

万葉集の梅花の歌三十二首の序文から取った言葉だということ、

「初春の佳き月で、空気は清く澄みわたり、
 風はやわらかくそよいでいる」

という意味の序文ということですが、
その言葉通り、
清くやわらかな時代であって欲しいと願います。

象徴とはいえども、
確かに国の柱となる天皇の即位に向けては、
様々な儀式を通してその御身を整えるそうです。

日本に限らず、各国の王座に就く方々も、
そうした準備を怠りなくするらしく、

秘儀は窺い知れませんが、それは、
ある種の大切なエネルギーワークなのだと思います。

そしてこの改元の時には、
国民もまた祈ることが大切であるとも聞きました。


さて、私は子供や子供の周りにいる大人たちに、
自分自身に愛に満ちた気づきを向けることを伝える
「マインドフル・エデュケーション・プロジェクト」を、
仲間と共に展開しています。

マインドフルネスの医療やビジネス、
教育といった、各分野への定着には、
脳科学からの検証が大きな役割を果たしています。

資料を調べていて、
興味深いことがありましたので、
今日はそれを書いてみたいと思います。

瞑想と、脳の様々な部位の関連性が、
多くのデータにみられます。

例えば、瞑想者の脳の前帯状皮質という、
自律神経機能と認知や、
共感などに関連する領域の活性が指摘されたり、

また瞑想者の島皮質という、
身体の状態を捉えるための内受容性感覚に関連する部分は、
瞑想習慣のない人よりも厚いという報告もあります。

脳のこうした部位は、
身体と脳を結び付ける働きを担っています。

身体内部感覚を受容して、
身体の必要を脳に意識させ、
その必要に応じた行動をとるように、
脳は身体に伝えます。

ポルトガル生まれでアメリカ人の神経学者アントニオ・R・ダマシオは、
情動や感情、そして身体と脳についての多くの興味深い本を書いていますが、

身体からの体性感覚を受容し、
情動や感情を主観的に感じられるようになり、
それによって〈今・ここにいる自己〉という感覚が生まれるといいます。

私たちは〈考える〉脳の働きを、
どこか〈感じる〉脳の働きよりも高等なものだと捉える傾向があり、
学校教育はまさに、
いかに〈考える〉脳を鍛えるか、に重点が置かれています。

本当は立って動きたいのに、
長時間ずっと座ったままで仕事をするように自分に強いたり、
トイレに行きたくても我慢をしたり、
そうした衝動の抑制は、
生理学的過程を制御しているフィードバックループの感覚を
抑制してしまうということ。

「考える」ことを重視して「感じる」ことを軽視すると、
島や帯状回を抑制するようになり、
多かれ少なかれ解離を引き起こしてしまうというわけです。

ダマシオは、感じる能力が育ってこそ、
より的確に方向付けされた理性的な判断ができるようになると語ります。

また、身体感覚の感受性が高い人ほど、
他者への共感力が高いという報告もあります。

瞑想と共感、慈悲の研究も盛んで、
スタンフォード大学などでは、
慈悲の心をマインドフルネス瞑想によって育てるプログラムも提供されています。

このところ続けている第一チャクラの探究もあって、
身体にしっかりと繋がっていること、

第二チャクラの感受性を身体に向けて
自分の内側に何が起きているのかを感じ取ること、

それは、内側の声に耳を傾けながら、
望んでいることを具体化してゆく第三チャクラや、

第四チャクラの慈愛との統合にもつながっています。

脳科学の後押しから、
瞑想を通して、レジリエンス(回復力)や認知力、
共感や慈愛を育てようという取り組みが進んでいます。

尾崎 智子

https://essentiallifeconsulting.jimdo.com/