スティホーム期間に、オンラインのいくつかのイベントを見ている中で、神経学者であり臨床医のダニエル・J・シーゲル博士が、毎週金曜日に開催しているオンラインのトークギャザリングがありました。
このパンデミックが引き起こしている状況下にあって、科学の視点と実践的なアプローチを交えながら、
医療従事者やセラピスト、教育者、子育て中の親や組織のリーダーなどのサポートになるようにと、一般に広く開かれたギャザリングで、
私は録画を見ています。(世界30か国以上から、15000人以上が参加しているようで、オンラインならではのことですね!)
シーゲルはマインドフルネスを用いてクライアントの治療をしていますが、瞑想の脳への影響などについて、彼の本を読むことが多々あり、参考にしていました。
そして、今日、10日ほど前から始まった、Interpersonal Neurobiology Course(対人神経生物学コースとでも言うのでしょうか)を受講しています。
自分と他者、という意味での「interpersonal/対人」というわけではなくて、外側の関係性にも、自分の内側との繋がりにおいても、という感じで、神経学、心理学、臨床など、幅広い領域からコースが成り立っています。
これから6か月間、オンラインで少しずつ学んでいくので、楽しみです。
それで、今日、聴いていたレクチャーに、人が〈こちら側〉と〈あちら側〉というグループ分けを、サバイバルとして行う習性について触れられていました。
集団で生きるヒトという生き物が、何か脅かされる状況にあるときに、こうしたグループ分けをすることで生き延びようとすることについてです。
皆さんは、この動画を見たことがあるでしょうか?
1968年にアメリカで、勇敢にも、子どもたちに身をもって差別がどのようなものかを体験させた授業の様子です。
同じクラスの白人の子供たちを、青い目と茶色い目に分けて、最初の日は、青い目の子供たちが優れている、翌日には茶色い目の子供たちの方が優れていると分けていきます
クラスルームでの日常を使いながら、そうした意識を、子供たちを誘導することで植え付けていくとどうなるか―。
https://youtu.be/c18oEXqDg1k
子どもたちがあっという間に、集団差別に呑み込まれていくのを見て、すごく胸が痛くなりました。
でも、こうした差別は他の国のこと、他人ごとではなくて、自分にも大いに関係していることです。
日本にも根深い差別はあるし、いじめ問題や、今は感染をめぐっての差別も耳にします。
そうしたはっきりとしたものでなくても、〈差別〉、〈こちら側かあちら側か〉というのは、多かれ少なかれ、誰もが経験することのあるマインドの働きだと思います。
さて、シーゲルは、このような習性を生みだす脳の仕組みがあるとしても、それを超えていく意識を培うことが大切だと言います。
プレゼンスであること、そして、互いが独自性を認識しながらも、共に大いなるものの一部であると知るとき、そこには感謝と慈愛があり、それが、私たちが到達し得る場所だというのです。
私は、こうした言葉を聴くととても嬉しくなります。
なぜなら、私たちが瞑想を通して体験してきていることを、神経学的、臨床的見地から、明言してくれているから!
さて、シーゲルが提唱しているウェルビーイングのためのメンタル・アクティビティがあるので、ご紹介します。 日々の振り返りに活用してみたいと思いました。
1.Focus Time
今はマルチタスクの時代で、同時にいろんなことをすることが多いですが、一つのことに集中してやりましょう、ということです。
2.Time in
内側に入る時間を持つこと、マインドフルな、瞑想の時間をもつことです。
3.Down Time
これは何もしないでいる時間を持つこと。
4.Physical Time
身体を動かすことです。
5.Sleep Time
眠りについてはまだまだ解明されていないことが多いですが、しっかりとした睡眠をもつことです。眠りと、脳に蓄積した疲労物質の解消を示す研究結果も報告されています。
6.Play Time
他の人の評価を気にしないで遊ぶようにものごとをすることです。判断や評価をされないでいる中で、脳神経が新しい接続回路を見つけつながることができます。
7.Connecting Time
つながり。人や動物や自然との繋がりを感じること。
より大きな全体の一部として、互いの繋がりを感じること、そこに感謝と寛容性が生まれます。
それでは、梅雨時期、心も身体も元気で過ごしましょう!
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