ここしばらくユニティのブログも新型コロナウィルスの話題が続いています。
これが今私たちを取り巻く環境であり、この世界のことを考えるとき、それがどんなテーマであってもそれ抜きでは考えられない状態です。
政府は全国的な活動自粛を私たちに求め、皆が経済的にも、生活の仕方についても大きな影響を受けています。
そして政府や自治体の対応に対しても、不満や憤り、あるいは不安を感じ、このようなとき自分は何をすればよいのか、どのように生活していけばよいのか、先が見えない不確かさの中で道に迷ったように感じている人もいるかもしれません。
最近目に留まった二つの言葉があります。
ひとつは「私たちは、問題の一部になるのではなく、解決の一部になる必要がある」(サドゥグル)という言葉と「日々の小さなことを」(エックハルト・トール)という言葉です。
今の問題があまりに大きすぎて自分ではそれに対して何かできるようには感じられないかもしれません。
政治の世界で行われていることをテレビやインターネット上で見聞きし、それに対して異を唱えたいと思っても、何をどのように、どこから始めたら良いのか分からないし、起こっていることも世界規模のことであり、その大きな流れと比較して自分があまりに小さい存在だと感じてしまいます。
サドゥグルという人の「問題の一部になるのではなく、解決の一部に」という言葉を聞いたとき、二つの大きな流れが思い浮かびました。
ひとつは、今ある問題がさらにより大きな問題を生み出し、人類にとって回復の難しい厄災へと膨らんでいく方向へとエネルギーを与える流れ。
もうひとつは多くの犠牲を払いながらも、最終的にはこのことが人類にとって良き方向への転換点となり、未来のある時点で、実は幸運であったと感じられるような解決へと導く流れ。
私たちがどちらの流れに自分を参加させたいかを考え、その流れの一部になるためにどうすれば良いのかを考えると、自分がその流れの中の一滴の水であれば良いのだと思うことができます。
ある一滴は政治的な立場やビジョン、行動力があり、ひとつの流れの一部として自分ができること、やりたいことをやるかもしれません。
ある一滴はたとえば、テレビで見た看護師さんは、患者さんのために奮闘すると同時に、家にはご両親がいるので、ホテルの一室に滞在することを選んでいるという方がいました。
また別の一滴は、この騒動のせいで在庫を抱えてしまった生産者と私たちを結ぶ、「訳アリ商品情報グループ」を立ち上げ、そこではたくさんの生産者が商品の行き先を見つけ、救われています。
ある一滴はふだん時間がとれずにできていなかった、自分にとって大事なことをすることを選ぶかもしれません。
ある一滴は、ただ胸の中心にあるハートの上に手を休めるということを、気付いたときにするかもしれません。
自分のエネルギーがどちらの方向を向いているかが、それがどちらの流れの一滴になるのか、問題の一部になるのか、解決の一部になるのか、ということを決めるのだと思います。
エックハルト・トールの「日々の小さなことを」という言葉も、私に大切なヒントを与えてくれました。
目の前にあって目に触れ、手で触れるものではなく、どこか別のところで、何か別のことをしていなければならないのに、それをしていないような気がして焦ってしまうことがあるかもしれませんね。
でも生きているということは、今ここでしか起こっていません。
吸っては吐く息や、口に入れる料理、歩いているときの足の裏に感じる地面、洗濯物を干すときに感じる新鮮さ、一口飲む水のおいしさ……
こういったことから始まって、人によって日々の小さなことは違うかもしれません。
遠くにいる家族や友人との電話やオンラインでのやり取りが自分の世界の範囲である人もいれば、オンラインでの仕事でつながる距離や範囲が大きい人もいるでしょう。
でもどんなときにも世界の中で自分が感じ、応答し、行うことはみな五感がとらえた今ここからのつながりなのです。
ハート瞑想イベントの中に「日々の生活での活動にハートをもたらす」というエクササイズがあります。
ふだん何気なく行っている活動にハートをもたらします。
シャワーを浴びることや、皿洗い、掃除、料理、あるいはただ歩くこと…
そういった何気なく行っていることにハートをもたらすことでどんな変化が起こるでしょう。
いったんその活動を止めて、ハートに手を休めます。
ハートとのつながりを感じ、内側でハートの暖かさや柔らかさ、受け入れる感覚を感じます。
そして同じことを続けます。
それだけで小さな経験の質が変わることに気づかれるでしょう。
現在、ユニティではアルヴィナの「オンライン・ハート瞑想」が無料で受講できます(全3回)。
一日15分、アルヴィナのガイドに従ってハートに触れていくことで、日々の小さなことがらを深く味わっていくことができるようになります。
この状況の中でただ今、目の前にある小さなことにハートの愛をもって触れ、行う必要のあることをハートのスペースから行うことができれば、私たちは今の問題の解決の一部になっています。
たとえ今恐怖や苦しみがあったとしても、その恐怖や苦しみにハートとともに寄り添うとき、私たちは解決の流れの一部なのです。
ウィルスはこの世界の中で生きとし生けるものがつながっていることをネガティブな形ではあるけれど、教えてくれました。
そしてインターネットは、科学技術で私たちをつなげてくれます。
このブログを読んでいるみなさんは、私たちが内側でつながっていることをご存知かもしれませんね。
今私たちの在り方はそのままで世界につながっています。
そしてこの大きなつながりの中で、解決の一部、その流れの一滴になることは、今ここから私たちが私たちであることを大切にすることで、できることなのです。
市場義人
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