スペインでのミラ・アート&メディテー ション トレーニング(1)by トーショー

ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、アートユ
ニティで今秋発売になる予定の
「瞑想アート」(クリエイティビティの目覚め)
(この文章では、英語の題名
”Reawakening of Art”から仮にこう呼びます)」
の著者で、世界中で多くの人に、絵を描くことを
通して成長する道をシェアしてきた橋本一枝さん
(ミラとも呼ばれています)が、今年2月に急逝され、
多くの人がその早すぎる死を悼みました。
 
ミラは、大きな愛の人でした。そして禅の言葉に
あるように「ろうそくを両端から燃やすように」
生きた人でした。彼女に触れた人の多くは、生き
る情熱に火がつけられ、新しい生き方へと人生の
舵をきりました。
 
私もその一人です。
 
長年ミラを人生と瞑想の先輩として、友人として、
愛を教えてくれる人として尊敬し、また絵の
トレーニングでミラをサポートしながら、自分でも
ミラが生み出したまったく新しい絵の描き方につ
いて学んできました。
 
ミラが亡くなった後、スペインで行われる予定だ
った3週間にわたる絵と瞑想のトレーニングは、
キャンセルされずに、2週間に短縮されて行われ
ました。
 
私もそのトレーニングをリードする一人として参
加し、8月6日にそれを無事に終えました。
 
この文章では、2回に分けて、その報告をしよう
と思います。
 
このニューズレターは、ユニティインスティチュ
ートが提供しているハートをもとにしたワークに
ついてシェアする場です。
 
そのような場で、私がミラの絵のトレーニングに
ついて書くのには、理由があります。
 
ひとつには、ユニティ‐インスティチュートの母
体である、和尚アートユニティがミラの絵につい
ての革命的な本を出版する運びになっていること
、そのためにアートユニティがそのホームページ
にミラのセクションを用意していることがありま
す。
 
私たちが行っていることは、OSHOの大きなビジョ
ンの中で、それぞれの位置を占めています。
 
またひとつには、私が絵のグループを行うときに
は、ハート瞑想をどのように活かすかが、課題に
なっているからです。
 
OSHOのビジョンを生きようとして生まれてきたミ
ラの絵の道と、同じくOSHOのビジョンのもとで生
まれたハート瞑想の方法が、どのように出会うこ
とができるのか、手さぐりしながらの数か月でし
た。
 
その話をここでしたいと思うのです。
 
25年前にインドのプーナでミラに出会い、その絵
を見たとき、背骨に電流が走ったように感じまし
た。その美しさに圧倒されました。その美しさは
単にきれい、というものではなく、存在の深みか
ら立ち現れたような深さと純粋さがあったのです

ミラのアートをご覧ください)
 
それから、当時はプーナで1か月以上も続いたペ
インティングのトレーニングに、数年おきに、何
度か通訳として参加しました。6年前に意を決し
て、その年から10年間は毎年ミラの絵のトレーニ
ングに参加することに決めました。私は、ただ絵
がうまくなりたかったのです。
 
今年の1月にその決意から6年目にあたるトレーニ
ングが終わり、次にミラに会うのは、毎年4月に
ミラのふるさと能登で行われる、10日間の「チェ
リーブロッサム・ペインティング」だなと思って
いました。
 
2月にミラが亡くなり、それからすべてが変わり
ました。
 
今までは受け身で、ただ一緒にいるだけで良かっ
たトレーニングを、自分たちが背負っていかなく
てはならなくなったのです。
 
今年のトレーニングが終わったときに、ミラは、
「あなたは来年、私のトレーニングが終わった後
に、「“ペインティング・ユア・ハート”という
グループをしなさいね」と言いました。もうひと
りのオランダ人のペインターには、‟ノーマイン
ド・ペインティング”というグループをするよう
に言いました。
 
それで、それでは日本に帰ったら、今年中に2,
3回はペインティングのグループをしなくちゃな
らないかな、と考えました。
 
今までは、ミラがいるのだから、彼女のグループ
のサポートができれば十分だ、と思っていました
が、ミラからそのように言われたからには、自分
ができること、「ハート瞑想」と絵を組み合わせ
て何ができるのか、実験してみなくては、と思っ
てのことでした。
 
ところが、ミラが亡くなると、OSHO瞑想リゾート
では、今までミラが行っていたアートセラピスト
・トレーニングを、残った私たちが行うように要
請してきました。
 
来年の1月に予定されているOSHOアートセラピス
ト・トレーニングに、ミラの代わりとして3人の
名前があがり、私もその一人でした。
 
突然、大樹の下でのんびりとしていた私たちが自
力で立たなくてはならなくなったのです。
 
ミラが行っていたトレーニングの大きなものに、
前述したように、毎年夏にスペインのビルバオ近
郊で行われるものがあります。
 
長年ミラとともに絵を描き、サポートしてきたア
イルランド人のオジャスという人が、オーガナイ
ズしてきたもので、アマルーラという共同体の中
で行われる3週間にわたる、本格的な絵のトレー
ニングです。
 
オジャスは、トレーニングをキャンセルせず、2
週間に短縮して私たちでやろうと言ってきました

 
プーナでリードする予定の3人の男性に加えて、
イタリアから美しい女性が加わり、4人でトレー
ニングをリードすることになったのです。
 
スペインでのトレーニングは、7月下旬に始まり
ます。
 
それまでの間に、4月から始めて私は日本で絵の
グループを6回、行いました。ミラが来年プーナ
で行うように言ってくれたグループのタイトル”
ペインティング・ユア・ハート”をグループの名
前にしました。
 
ペインティングとハートのはたらきをどのように
融合することができるのか、また、自分に何がで
きるのか、とにかくやってみるしかなかったので
す。
 
日本でのグループは、半日のもの、一日のもの、
2日間のものとさまざまでしたが、その中でミラ
の方法を使いながら、だんだんとハート瞑想も取
り入れていきました。
 
クリエイティビティとは、今まで知っていること
とは違うもの、未知の領域からやってくるエネル
ギーで、それに乗って絵が自然に生まれていくの
です。
 
そのためには、どのように描こうとか、何を描こ
うとか、マインドで計算しても本当のクリエイテ
ィティにはつながることができません。
 
一瞬ごとに自由でなければならないのです。
 
グループに参加した人は、自分を制限する壁に必
ずぶつかります。
 
自分の中の暗闇を覗くことが怖い人は、黒を使う
ことに躊躇を感じるかもしれません。
 
自分の決まりきった描き方にはまってしまって、
描くことによる喜びを感じられなくなるかもしれ
ません。
 
そのようなときにハート瞑想から始めると、何か
がゆるみ、自分の制限から出ることができます。
 
ハートは過去のパターンと未来の結果を求める気
持ちから人を自由にしてくれます。
 
ただ今ここにいて、色と形が織りなす美しさと戯
れることができる道が開けます。
 
もうひとつ、ハート瞑想が役に立つことがありま
す。
 
多くの人にとって、自分が描いた絵の美しさを認
めることがとても難しいのです。
 
人の絵の美しさなら感じられるけれど、自分の絵
はよいと思えない、というのが多くの人が経験す
ることです。
 
グループでは、「愛の目の瞑想」を使ってみまし
た。
 
ハートの中に入り、ハートの本質でもさらに本質
的な愛のエネルギーを感じ、それを目の中に流れ
込ませます。
 
目に愛をもって自分の描いた絵をみたときに、今
までと違ったように見えるでしょうか?
 
絵は何かを語りかけてくれるでしょうか?
 
この瞑想により、参加者は自分の絵に今まで見え
なかった美しさを発見したり、その絵がそのまま
で良いのだというメッセージを受け取ったりしま
した。
 
このようにして、ミラの絵の方法とハート瞑想を
組み合わせることを実験しながら、7月下旬から
始まるスペインでのトレーニングの準備をしてい
きました。
 
7月19日に日本を発ち、バルセロナからビルバオ
へ、そしてビルバオからタクシーで40分の、アマ
ルーラの共同体へとたどり着きました。7月20日
の夕方です。
 
次の日から3日間、ミラの夫で、世界的に有名な
セラピストでもある、スヴァギートが私たちに無
料でグループリーディングのためのトレーニング
をしてくれました。
 
そのトレーニングには、スヴァギートの生徒たち
もたくさん集まり、初めて会った人たちに向かっ
てグループをリードする機会を与えられることに
なります。
 
そこでの経験も含めて、次回は、アマルーラでの
2週間にわたる絵と瞑想のトレーニングがどのよ
うに進んだか、そしてハートのはたらきがそこで
どのような意味をもったのかについて、お話しし
たいと思います。
 
トーショー