肉体のカルマの解放の体験

私は例年のようにインドのプネー市にある

1月からスタートするミラ（橋本一枝さん）
が遺した方法による瞑想的アートを実践す
るグループをファシリテートしたり、アシ
ストしたりするために、2月半ばまで滞在し
ます。

去年、11月のアルヴィナ来日プログラムの
ひとつとして行われた「肉体のカルマの解放」
でとても興味深い経験をしました。

このプログラムでは、今生の経験と過去生の
経験とを分けずに、すべてを過去からのエネ
ルギーとして扱ったのですが、カルマという
言葉からは過去生についての可能性も感じま
す。

アメリカ、ヴァージニア大学医学部主任教授
のI.スティーヴンソン医学博士は、超心理学
研究の第一人者として前世の記憶を持つ子供
たちが生まれつき持っている体の特徴につい
て多くのデータを集めているそうです。

例えば前世でショットガンに打たれて死んだ
記憶を持つ若者がいます。

スティーヴンソン教授の臨床経験では、この
ようなケースが15件ほどあるそうです。中に
は体の前面のあざは小さく、背中側のあざは
数が多かったり、大きかったりすることがあ
るそうで、これは実際のショットガンによる
傷と似通っているそうです。

私の場合、生まれつき持っている体の特徴と
して、皮膚に負った傷が治りにくいというも
のがあります。

予防注射やワクチンの接種の痕が腫れて、
いわゆるケロイドとして体に残っています。

20年以上前になりますが、ちょうど今と同じ
ようにインドのプネー市にある、OSHO瞑想

その部分にカラーパンクチャーという療法で
使う色彩光線を当ててみたことがあります。
すると、激しい怒りが湧いてきて、当時住ん
でいたアパートからリゾートに向かって歩き
ながら、これは途中で喧嘩するかもしれない、
と思っていました。実際に道で出会った知り
合いと些細なことから喧嘩してしまいました。

その姿は「喧嘩を求めて歩いている」という
感じだったと思います。

このワークショップの題名「肉体のカルマを
解放する」を見たときに、即座にそのことを
思い出し、申込ました。このケロイド状の傷
にたくさんの感情が閉じ込められているよう
に感じたからです。

これは3日間のプログラムで、だれでも受け
ることができたので、初心者向けととらえて
も良いのでしょうが、内容は非常に高度なも
のでした。

まず「肉体」と「カルマ」について簡単に説
明します。

肉体は、この体のことですが、チャクラの
システムでは、第1チャクラがつかさどって
いるエネルギーです。肉体そのものも密度の
濃いエネルギーですが、肉体を生存させる働き、
大地とのつながり、肉体を養う働きとして
食べ物やお金との関係も含まれます。

グループの中で、「カルマとは何か？」とい
う質問がありました。

「カルマ（業(ごう)）」という言葉はサンス
クリット起源で、「仏教などの説では、善ま
たは悪の業を作ると、因果の道理によってそ
れ相応の楽、または苦の報い（果報）が生じ
るとされる」（ウィキペディア）と理解され
ています。

これによると、今体に起こっているある特定
の事柄は過去の行為の結果が報いとして現れ
ているものだ、ということになります。

しかし、アルヴィナの答えはもっとシンプル
で科学的なものでした。彼女は、「カルマと
は解消されていない過去のことです」と答え
ました。

過去の経験（それが過去生でも今生でも）の
うち、消化されずそのままエネルギーシステ
ムの中に残存しているものは、いつまでもそ
の人に影響を与え続けます。

そういった過去の未消化なエネルギーのうち
でも、体あるいは第1チャクラに影響を与え
ているものを解放しようとするのがこのグル
ープの目的でした。

私にとって劇的だったのが、二日目のエクサ
サイズでした。

そのエクササイズでは、私は自分の肩に残っ
ている傷跡に指をあてて、そこにあるエネル
ギーにチューニングを合わせました。

するとネイティブ・アメリカンとしての過去
生の映像が見え始めました。

その過去生では、ある部族の斥候としてほか
の部族を偵察しているときにつかまり、肉体
に大きな痛みを与えられたのでした。

そのあと、扱っている体の部位にあるエネル
ギーの絵を描くように言われ、渡された人体
の輪郭図に感じるままにクレヨンで色を付け
ていきます。それを初めての人たちも含めて
みんなが当たり前のように行っています。

次にアルヴィナの誘導でハートの中に深く入
り、そしてそのエネルギーを愛し、受け入れ
ます。受け入れることでエネルギーは変容し
ていくのです。

しばらくハートの感覚からエネルギーを感じ
た後で、次にアルヴィナは、そのエネルギー
を、手を使ってリリースするように誘導しま
す。

これには驚きました。

エネルギーを知覚し（絵を描く）、それを愛
し受け入れ（変容のはたらき）、そしてもう
必要ではなくなっていて消えていく準備がで
きているエネルギーは、愛をもってリリース
するというこの流れは、アルヴィナやプラサ
ードが長年かけて教えてきてくれたサトルボ
ディヒーリングそのものだったからです。

それを30人の参加者全員がそれぞれやっている
姿は外から見るとしたら圧巻だったでしょう。

そこで起こっていることを、しっかりとホール
ドし、参加者を深い経験の中へと誘導するのは、
ガイドしているアルヴィナ自身のサトルボディ
ヒーリングの力がハートのシンクロニシティ
を通じて伝達されているからこそできること
なのです。

また通訳のコマラのプレゼンスと理解も、
伝達の力を強めていたはずです。

それは本当にパワフルな経験でした。

このエクササイズが終わったあと、私は自分
の脚とのつながりが変わっているのに気づき
ました。

自分の脚に優しいエネルギーが流れていて、
体と脚が一つのものであると感じたのです。
このようにやさしく柔らかくつながっている
感じがしたのは、初めてのことでした。

第1チャクラは、大地とつながるはたらきでも
あります。

これまでも、大地とのつながりをテーマにして
ワークもしてきていましたが、体をひどく痛め
つけられたネイティブ・アメリカンとしての
過去生がこのことに大きな影響を与えていた
ということは、傷が治りにくいという体の特徴
から入っていくこのようなワークでなければ、
なかなか分からなかったことだと思います。

このエピソード以外にもたくさんの気づきと
解放があった3日間でした。

これでグループは終わり、普段の生活に戻っ
たのですが、もっと大きな驚きがそのあとに
待っていました。

ある意味で、すべてが違うのです。

パートナーと公園を歩いていたときのことで
す。いつも彼女は目に入るものを写真にとる
のですが、それまでの私は、たいていそれが
終わるまで何もせず待っていました。

しかしグループの数日後に、散歩していると、
光や影が織りなす模様や、葉っぱの重なり具合、
落ち葉と溝の石組みが創り出すパターンなど、
今まで目に入らなかった美しさが自然に目に
映ります。

私も写真を撮りたくなって、二人で時間もわ
すれて歩いては立ち止まり、写真を撮り、見
せ合い、また歩いては止まり、写真を撮り、
を繰り返していました。

これだけでなく、ご飯がおいしくなり、音楽
を聴いても、今まで聞こえなかった音の響きが
聞こえてきます。

こういった繊細な感覚は、第2チャクラと関係
していると習っているのですが、不思議なこ
とに第1チャクラを解放することでこのよう
な変化が起こったのです。

初日には、肉体やお金を憎む気持ちが出てきて、
二日目には、体をひどく痛められた経験を思い
出しました。こういったものが解放され、
体を受け入れることで、ほかの働きにも影響
が及んだのでしょうか。

第1チャクラは背骨の基底部にあり、ほかの
チャクラすべてがそこからのエネルギーを受
け取ります。一番下で閉じられていた栓が開
いたのでしょうか。

このような経験を通して、生きるということ
は、人生がもともと内包している贈り物を見
つけ出す冒険なんだなぁと思うようになりま
した。そして下位のチャクラと言われる第一
から第三のチャクラの働きについても、まだ
まだ深い発見が待っているのだろうなと楽し
みです。

来年からアルヴィナは一年に一度、来日します。

彼女が来るときには、これからも人生の扉を
開く素晴らしい機会を提供してくれるでしょ
う。来年の来日が楽しみです！

市場義人（トーショー）記