「いざ」に備える By ブーティともこ

7月、西日本豪雨災害で広島も多くの地域で大き
な被害が出ました。

家屋が土砂に埋まり、主要な道路や線路は完全復
旧までに一年ほどかかるところもあります。

自然の猛威が人を飲み込み、暮らしを飲み込みました。

更に続いての酷暑が復旧作業を困難なものにしています。

追い打ちをかけるかのように近づいてきた逆走台
風による被害は、幸い中国地方は免れました。

 

「これまでに経験したことのない雨」「命が危険
な暑さ」「異例の台風進路」と、連日、テレビから
聞こえるアナウンス。

日本のみならず、アメリカ西海岸、カナダ、北極圏・・・
地球規模で異常気象が起きています。

幸い、私が住んでいるあたりは大きな被害はなく、
2週間ほどの断水で済みました。

それもお隣の井戸を使わせていただき、また美味しい
湧き水を汲みに行くこともできました。

自然からの水、それを使う暮らしがまだ田舎には残っています。

トイレも水は少ししか使わない簡易水洗なので助かりました。

災害の多い昨今、水を全く使わないコンポストトイレや
簡単な自家発電機を作ってみようかとパートナーとも話しています。

災害から一か月ほど経ちますが、復旧作業はこれからです。

実はこの少し前に、NHKスペシャルの「大江戸」という番組の
シリーズ3をたまたま観て、とても感銘を受けていたところでした。

去年、東京駅近くの工事現場から、江戸時代265年の地層が
初めて一度に出土して、そこに大火の跡「火災層」が幾層も
残されていたのだそうです。

最新研究からは、江戸は3年に一度の割合で大火に襲われる、
“世界最悪の火災の町”だったといいます。

そうした大火の度に防災対策が敷かれ、庶民と幕府が
力を合わせてさらに大都市へと発展を遂げていったことが
分かりました。

木造の家が軒を連ねる江戸の町は、ひとたびどこかで
火の手が上がれば、あっというまに町全体が火の海と
なってしまいます。

類焼を防ぐために、なんと、人々は自ら進んで自分の家を
壊してもらっていたというのです。

興味深いと思ったのは、当時江戸に来ていた
外国人の旅行手記です。

たまたま火事に遭遇したその旅行者は、「江戸の人は
自分の家が壊れるのを見て笑っている」と、
訝しげに手記に書いていること。

江戸の人たちは、壊しやすい家を建てていた、ということでした。

細い柱、壁、いざというときすぐに壊せる作りだというのです。

火の手が迫ると、僅かな家財道具を床に掘った穴に放り投げて、
身一つで逃げる――だから生活に本当に必要なものだけが
家にはあったといいます。

そして進んで家を壊してもらう!
 

火災が収まったら、そのときにはまた家を建ててもらうのだそうです。

そうした木材のストック場が町外れにはあって、
今の江東区木場がそれに当たります。

いつ何時火事が起きるか分からない、それに対す
る備えとは「いつでも身一つで逃げる用意がある」というもの。

宵越しの銭を持たないという江戸っ子気質は、
こうして出来たといいます。

町中のみんながそんな風に暮らしているところを想像してみました。

たくさんの物を所有し、それでも尚求めて止まない
私たちの暮らしぶりとなんと違うことでしょう!

俄然江戸に興味が湧いてきました。

この頃のように災害が多くなってくると、私たちも
暮らし方を見直し、コミュニティの在り方を見直す
必要があると思われます。

何が自分にとって幸せな生き方なのか、何が最良なのか、
それを誰もが考えているはずです。

ただ、その答えは、そのときの自分の意識が
どこにあるかによって変わってきます。

気づきが浅ければ、表面的な解決を求めてしまうことになります。

部分しか見えないのに、それがすべてだと思い込んでいることの
危うさは、簡単に想像できることでしょう。

本当に自分自身にも周りの人々や自然にも調和して
幸福であること、それが可能となるのは、その全体が
見えているとき、深い気づきがあるときです。

ハート瞑想を体験したことのある皆さんは、
内側に深く入るとき、中心では私たちはすべてのものと
繋がっていること、ひとつであることを体験として知ります。

このような時代だからこそ、そうした気づきは本当に必要です。

それは今後も、ますます重要になってくるはずです。

だから、今始めましょう!
現代を生きる私たちの、これは、いざというときの備えです。

https://essentiallifeconsulting.jimdo.com/

ブーティともこ