【WS】コンパッションエクササイズ(2)

コンパッション実践会

前回(1ヶ月ほど前になりますが)、コンパッションによる変容のためのアクション(エクササイズ)を簡単に説明しました。
https://oshoartunity.com/blog/archives/35241

前回は、その1番目の「明確な意図を持つ」ということでした。

朝に意図を明確にし、寝る前にはそれを振り返るというエクサイズです。

コンパッションのエクササイズでは、コンパッションはもちろん、何事もその意図を持って行うということが大切だと説かれています。

今回ご紹介するのは第2番目のコンパッションによる変容のためのアクション(エクササイズ)です。

前回は、これでした。

1)  明確な意図を持つ(認識)。

今回はこれです。
2)深い思考を取り入れるための三つのスキル(マインドフルネス)

(1)心を鎮める
(2)集中力を学ぶ
(3)気づきを深める(メタ認知スキル)

要するにマインドフルネスの技法です。

「コンパッション」の技法には、3つの技法が含まれてます。
それは、マインドフルネスと、セルフ・コンパッション、そしてコンパッションです。

セルフ・コンパッションとコンパッションは同じコンパッションですが、それを自分に振り向けるか、他者に向けるかの違いがあります。

しかし、他者にコンパッションを振り向ける前に、まず自分にコンパッションを及ぼすことが基本になります。

なぜなら、自分を助けることができないのに、いきなり他者を助けるというのは、順番が逆だからです。

溺れている人を助けるには、まず自分が泳げるようになっていることが必要ですから。

そして、セルフ・コンパッションとコンパッションの準備が、マインドフルネスです。

マインドフルネスは、自らの思考、感情、行動に巻き込まれることなく観察できる、リラックスした開放的な心の状態を作るために行われます。 

また、マインドフルネスは、脳のデフォルトモードをオフにして、脳を集中しやすい状態にして、コンパッションの意識状態にすることを助けます。

脳のデフォルトモード(DMN)というのは、脳がアイドリングになっている状態で、注意が散漫であり、脳が疲れやすく、ネガティブな感情に支配されやすく、その状態が不幸を作り出しているとも言われます。

反面、脳のデフォルトモード(DMN)はアイデアが生まれやすく、リラックスし、脳内の情報が整理されるというメリットもあるとされています。

「コンパッション育成トレーニング」(CCT)では、脳のデフォルトモード(我知らず彷徨う意識)の犠牲にならないために、これらの三つのスキル(マインドフルネス・エクササイズ)を実習します。 

(1)心を鎮めるためのエクササイズ 
(a)深い呼吸のエクササイズ

  ゆっくり深く息を吸って、そのまま2、3秒キープしてからゆっくり吐ききる。そして息を吸って、キープして吐き切る、ということを5〜10回繰り返す。   

(b)意識拡大のエクササイズ 
  意識の広がり、広い空間を想起する。緊張やストレス、落ち着きのなさは、多くの場合、抑圧や重圧から生じる。
  心に浮かぶ思考、感情、怖れなどが、広大な空に浮かんでは消える雲のようなものだと想像することで消えていく。

(2)集中力を学ぶ
(a)心の中で呼吸の数を数える。(吸う息、吐く息で「1」と数える)
(b)イメージを使って意識を集中させる(集中の対象は、お気に入りの絵画、ロウソクでも、内面のイメージでも何でも良い) 

(3)気づきを深める(メタ認知スキル)  
 自らの身体、感情、意識とその内容を、批判や抵抗なく観察するスキル。
気づきのエクササイズ: 
 a. 深呼吸を数度して、呼吸を観察してから、呼吸にむけていた注目を解いて、今ある状態への気づきに移行する。

 b. 外を走る車の音、クーラーの音、ふと浮かんだ考え、過去の記憶、今起きていることのすべてに注意を払い、意識に入ってくるものを拒まず、同調もせず、ただシンプルに観察を続ける。それらを手放し、観察し、認め、手放す。  

 c. 日中、いつでも、数分間でも、この気づきのエクササイズをする。
・そうすることによって、ストレスに満ちた思考パターンや感情的な反応の連鎖を断ち切ることを学ぶことができる。
・普段なら行き当たりばったりに浪費されている精神的なエネルギーを有効活用できるようになる。
・自分が本当に大切にしている対象に意識を向けることができるようになる。
・メタ認知能力を高めることで、自分自身にもっとよく気づくようになり、他者のこともよく見えるようになり、共感能力と理解力が高まる。
・メタ認知能力を高めることで、自分や他者の苦痛を脅威に感じることなく受け止めることができるようになり、心の余裕が生まれるようになる。

これらの実習についての詳しい解説は、CCTのツプテン・ジンパ博士の著書「コンパッション」に掲載されています。

毎月第一水曜日に開催される無料
コンパッション実践会は明後日(6月5日(水))です。
https://compassioneducation.jp/schedule#practice

コンパッション実践会では、CCTで行う瞑想を紹介しています。
誰でも、お気軽にご参加していただけます。

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