瞑想と脳

夏休みが終わりに近づいてくると、いろんなとこ
ろで子どもたちの命を守ろうとするメッセージが

発信されるようになってきます。
 

新学期が始まる前後の子供たちの自殺が増える時
期だから。
学校に行きたくなくても構わない、友達がいなく
ても構わない、いろんな形で、いろんな言い回し
で、こうしたメッセージが、毎日発信されていま
す。

子どもたちが置かれている環境には、大きな社会
全体の歪みが強く反映されてしまうのだと思いま
す。

子どもも大人も、みんながよりよく自然に生きら
れる世界になるために、何ができるかを考えたと
き、成長過程において、自分自身や他者を愛に満
ちた気づきとともに見つめ、養う術を伝えてゆき
たいと思いました。

「今この瞬間に判断なく注意を払う」
マインドフルネスのプラクティスは、思いやりや
慈愛に関する重要な働きをする脳の部分を活性化
することが報告されています。

実際にスタンフォード大学では、マインドフルネ
スと慈悲の関係、ストレスと心の健康、利他主義
の研究が行われる機関を設け、CCT(Compassion
Cultivation Training)という、宗教性を排除し
た思いやりを育むための独自のプログラムが開発
されています。

このプログラムの大切な要素はもちろん瞑想です
が、最近、このCCTのティーチャートレーニング
を終了した方とお話しする機会があり、一緒にハ
ート瞑想をしたりしました。

脳科学的見地から瞑想がもたらすよい影響が知ら
れるようになってきていることは、本当に嬉しい
ことだなぁと感じています。


保護者や教師向けの講座資料として、一昨日届い
たダニエル・J・シーゲルと、ティナ・ペイン・
ブライソンという人の The Whole-Brain Child
(邦題:幸せ育児の脳科学)という本を読んでい
ます。

本には、脳の性質を分かりやすく説明しながら、
大人は子供にどんな声かけをするのがいいのか、
どんなふうに寄り添えばいいのかが書かれていま
す。

幼い子供、特に、3歳ごろまでの子供は、右脳の
働きをベースにして生きていること、より感覚的
で感情豊かで、言葉や意味に囚われていない世界

を生きていると。
 

やがて「なに? なぜなの?」を繰り返すように
なるころ、ちょうと左脳の働きを活性化させる時
期を迎え、ものごとを論理的に捉える作業が始ま
ります。

小さな子供が感情を爆発させているとき、大人は
論理的に子供を諭しても役に立たないので、自ら
もまず右脳から子どもの感情に寄り添ってあげる
ことが大事だということ、そして感情の嵐が収ま
ってきたときに、どうしたの?という風に声をか
けてあげて右脳と左脳が連絡を取りながら一緒に
働いてゆけるよう助けてあげるのがいい、とあり
ます。

シーゲルたちはまた、脳を、2階建ての建物に譬
えて、下の階と上の階の統合を大切にすることを

勧めています。
 

脳の下の階、情動や本能の働きをする脳は、生ま
れてくるときにすでに完成されているのに、理性
を司る脳の上階は、20代半ばにようやく成熟する
こと、幼い頃は脳の2階はまだほとんどむき出し
の工事中だし、10代でも粗い建設中の現場のよう
だということをしっかりと理解してあげるべきだ
とあります。

つまり、お友達との関係性のなかで、大きな感情
の波に呑まれたり、自己肯定が難しくなったり、
自分にとって最良の選択を見つけられないでいる
子どもの脳は未完成であり、その発育を、大人は
助けてあげることが大切だというわけです。


脳の左右の統合、上階と下階の統合は、子どもに
限ったことでなくて、あらゆる場面で大人の私た
ちも経験していることだと思います。
読みながら、私自身のことを思い苦笑していまし

た。
 

私が感情的になって、その感情をパートナーに
ぶつけると、彼は優しくニコリと笑って「疲れて

いるんだね」と言ったりします。
 
そうすると、

私の感情の波がすうーっと引いて、そう、私疲れ

ているの・・・と落ち着くのです。
 
彼は私の右脳と左脳の統合、下階と上階の統合
を助ける言葉をかけてくれたわけです(笑)。


シーゲルたちは、マインドフルネス瞑想が、こう
した脳の機能の統合を、助ける可能性についても
触れています。

ともあれ、どんなきっかけであろうとも、瞑想が
より日常の一部となって私たちの心身の健康に必
要であるという認識がより広く共住できるように
なるといいなと思います。

ブーティともこ
https://essentiallifeconsulting.jimdo.com/