子供たちにハートのはたらきを知ってもらう By トーショー

子供たちにハートのはたらきを知ってもらう

最近あるところに宿泊したときに、偶然のきっか
けから、ほんの2、3分ですが、同宿していた250
人の高校一年生の前でハート瞑想について話す機
会がありました。

ハート瞑想について理解してもらうためには、ふ
たつのことを説明する必要があります。

ひとつはハートとは何かであり、もうひとつは瞑
想とは何かです。

私たち大人でも、ハートについてはさまざまな理
解があります。

ふつうはバレンタインデーに象徴されるように、
ハートとは異性に対する愛のはたらきであり、
「恋に落ちる」ときに活躍するものです。

しかし、チャクラシステムにおけるハートは、恋
とはほとんど関係ありません。

ハートの大切な働きは、ものごとのあるがままを
受け入れることであり、それはハートがもつスペ
ースのはたらきと関係しています。何が起こって
いたとしても、それはハートのスペースの中に居
場所をもつことができるのです。

そこから愛や慈愛、やさしさ、感謝、喜び、許し、
忍耐など、素晴らしい本質が現れます。

しかし中学を卒業したばかりの人たちに短い時間
でそのような話をすることはできません。

また瞑想という言葉の意味についても、禅もその
ひとつである、などと言っても通用しないでしょ
う。

前日に何人かの高校生にマインドフルネスについ
て知っているか、尋ねましたが、知っている人は
いませんでした。

それで、瞑想という言葉についての説明は、心静
かに内側を見ることである、というくらいで済ま
せることにしました。

大切なことは、これから大人になっていく人たち
に少しでもハートの可能性について知ってもらう
ことです。

現在の学校教育の場では、ハートという大切なは
たらきはまったく問題にされません。

OSHOもその講和のひとつで、ハートこそが私たち
に生きる意味を与えてくれるのに、学校教育の現
場では、ハートのはたらきが窒息させられ、マイ
ンドのみが力を持つようにされている、と語って
います。

教育テレビなどで「なぜ人を殺してはいけないの
か」「なぜいじめはいけないのか」などが討論の
テーマとして取り上げられているのを目にするこ
とがありますが、それにはハートのはたらきが関
係することをその場にいる人たちが誰も知らない
のですから、その議論はマインドの中で論理的な
結論を探し出そうとするものにしかなりません。

前日の夜にお風呂に行こうとして迷ってしまい、
高校生の一団と出会いました。

「何をされているのですか」と聞かれたので、「
お風呂に行きたいのですが、場所を知っています
か」と尋ねると、男子の一人がわざわざかなり距
離がある風呂場まで連れて行ってくれました。

これほどたくさんの若い人たちに接する機会は長
い間なかったのですが、彼らの純粋さは深く心に
触れるものがありました。

20歳くらいになるまでは、人の目はとても美しい
のを今までもセッションを通じて経験してきてい
ます。

子供たちの中にはハートは息づいています。

しかし大人になっていく過程で、本人たちも気づ
かないうちにハートは生活の中でその力を失って
いくように思います。
    
さて、今回のような機会にどのように話せば、子
供たちの心にハートの可能性が種のように残るだ
ろうか、それを考えながら生徒たちの前に立ちま
した。

そして話しだしました。

「人間の精神のはたらきには、3つの大切な場所
があります。ひとつは頭であり、もうひとつはハ
ート、そしてもうひとつはおなか、というよりハ
ラと呼んだ方が良いところです」

「頭は、みなさんが学校の勉強の中でいつも鍛え
ているところで、良く知っていますね。ハートは
胸の中心にありますが、今日の話の中では、だれ
かを好きになるというような恋愛とはあまり関係
していません。ハートは、人や自分に対して、や
さしさや親切心をもつことと関係しています。そ
してハラは、自分をしっかりともつことと関係し
ています。ハラが座っている、とか肝(きも)試し
をするとか言いますね」

というような説明をしました。

「ハート瞑想では、特にハートのはたらきを大切
にします。みなさんはときどき自分のことがいや
になったり、嫌いになったりすることがあるかも
しれませんね。ともだちや自分のことを考えると
きには、胸の真ん中に手を置いてみてください。
そうすると、ともだちのことも自分のこともだん
だんと好きになっていくことができます。自分を
好きになることは、生きていく上でとても大切な
ことなのです」

「明晰に物事を考えたいときには、額に手を置き
ましょう。するとスムーズに考えることができま
す。これは脳の研究で明らかになっていることで
す。またしっかりとしたいときにはおなかに手を
置きましょう」

とそれぞれのセンターに敬意を払いました。

短い時間で何ができたかはわかりません。しかし、
今回の経験で若い人たちにハートの体験をして
もらう大切さをとても強く感じました。このブロ
グを担当している一人であるブーティ(尾崎智子
さん)は、教育の現場にハート瞑想を持ち込むこ
とに情熱をもって取り組んでいます。あらためて
それに敬意を感じる経験でもありました。

by トーショー
 
HP インナーブロッサミング

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