「ELC」シリーズ 第十四回:この場所には水が流れているのだ

「エッセンシャルライフ・コンサルティング」シリーズ 第十四回: この場所には水が流れているのだ
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サトルボディヒーリング、エッセンシャルライフプログラム、瞑想プログラムの3つの柱です。
今回は、『悟りのシンクロニシティ』の翻訳者トーショー(市場義人)さんがレポートしてくださいます。
では、トーショーさん、よろしくお願いします。
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えっ、水の流れる音が聞こえる?沢があったんだ……。 満開の桜の木々の中で、驚きとともに水の音に初めて気づいたのは、私が桜の花をその場所で描きはじめてから、なんと4日目のことでした。 それまでは何も聞こえていなかったのでした。 5分咲きから八分咲き、満開、そして散り始めまで、桜の開花を一歩ずつともにたどりながら絵に描く、8日間のペインティングトレーニングが毎年四月の中ごろに、石川県能登郡で開かれています。
講師の橋本一枝さん(オショーの弟子としての名前は、ミラといいます)は、絵を描くことは、人生を生きることとおなじであると言います。 絵は自分の鏡であり、そこに表されている自分に直面することで、絵は育つのだと。 また自然はあまりに完璧なので、それを描こうとしても描くことは不可能だ、私たちにできることは、自然とともに踊ること、その踊りが紙の上に絵の具で表現されたとき、自然のもっているエッセンスがそこに現れるのだ、と話されます。 橋本さんは、瞑想的に生きる方法としてのまったく新しい絵画のあり方を探求してこられた人です。 ですから、絵も普通にいううまい下手とは無関係の次元で扱われます。 結果にこだわらず、手放しになって絵を描くという行為を通して、一瞬一瞬を生きることができたとき、そのプロセスをすべて包含した絵は、素晴らしいものにならざるを得ない、という理解なのです(そして本当にその通りなのです!)。 これは生きることの秘訣といっても良いかもしれません。 このような理解のもとに行われるペインティングのトレーニングですから、朝と夕方にはオショーが考案した活動的な瞑想法である、ダイナミック瞑想とクンダリーニ瞑想を欠かさず行い、絵を描きに桜の木々の中へと出ていく前には、十分に時間をかけて、シェアリングやパートナーとのワークなどで、自分が今どのような状態なのか、それが喜びであっても悲しであっても、怒りでも、恐怖でも、わけへだてなく気づき、受け入れることから始め、自分を抱きしめ、愛し、そしてみんなでダンスを踊り、ひとつになり、桜とも同じようにダンスが踊れるように、十分な準備をして、いざ桜の花々の中へと出て行きます。
しかし、私は通訳という立場でしたので、ひとつひとつのワークに参加することはできません。 その場のエネルギーの恩恵は受けていながらも、桜の花を描くことは私にはとても難しい、チャレンジでした。 そして、4日目の夜のことでした。 ELC(エッセンシャル ライフ コンサルティング)を仕事にしていながら、自分がこのトレーニングの間、ハートの瞑想をしていなかったことに気づきました。 夜には、ナイトセッションといって、桜にライトを当ててその下で描きます。 夜のセッションの良いところは、自分が何色を使って描いているのか、ハッキリと分からないところです。 うまく描けているのかも分かりません。 いつもならすごく気にする要素を、勘やそのときの感覚に任せるしかないので、自分の限界を超えることができる可能性もあるのです。 光と闇のくっきりとしてた明暗の中に立つ桜の木を眺めながら、ハートの瞑想を思い出し、ここでそれをやってみようと思いました。 ハートに入るのに、いつもクライアントのみなさんに自分がリードしている通りのハート瞑想を、こころの中で自分にガイドしていきました。 まず、ハートにあてた手の感触や温かさを感じ、座っているからだの感覚に気づきます。 そして周りで聞こえている音にも気づきます…。 自分にそう言ったときに、気づいたのでした。 この場所には水が流れているのだと。 この4日間、桜を描こうと一生懸命に苦闘していて、そこに絶え間なく流れている水音に気づくことがなかったのです。 これは驚きでした。 少し耳を澄ますと、水音ははっきりとそしてやわらかく、聞こえてきました。 このときは夜の闇の中でしたが、昼間の光景では、桜の木々の向こうにスロープとなって視界から消えていき、対岸(?)はまた上へと傾斜しながら緑の木々に覆われた丘のようになっているその場所の、ちょうど谷間にあたるところは、沢となっていたのでした。 日々、瞑想をしているつもりでいながら、ただ静かに耳を澄ませることさえできていなかったことに驚くとともに、ハートの中に入っていく第一歩で、すでに静かになり、自分に戻って行っていることを感じました。 ハート瞑想をさらに続け、ハートの受け入れるというスペースを感じ、今必要な本質を感じ、そして中心へと入っていきました。 そしてただ静かに、穏やかになりました。 そうして初めて、絵の具のふたを開け、筆を執り、ただ穏やかに桜と、そして紙と向かい合いました。 今まで、桜とつながれていない、本当はあまり感じられないと、苦しんできました。 マインドの中で苦しみ、それから自由になろうとしてもがいてきました。 ところが、今はそんなことも気にせずに、ただただ穏やかに、桜を描いていました。(ここに載せているのが、その時に描いた夜桜です) 桜は夜の闇に包まれながら、その満開の花々を光の中に浮かび上がらせ、私もまたその闇に包まれていました。 このときから、昼間もハートの瞑想をしてから、絵を描くようになりました。 すると、水音だけでなく、たくさんの鳥のさえずりも聞こえていたことに気づきました。 自然はただ桜の花だけをそこに有らしめていたのではありませんでした。 春が目覚め、すべてが一体となって動き出していたのです。 沢を流れる水の音は、ときに聞こえ、ときに聞こえなくなり、私の状態を教えてくれる大切なメロディーとなりました。
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さて、ここで、私の文章は終わりですが、この絵について、友人でもあり、ハートの瞑想会の幹事をしてくださっている、有名な画家の方からコメントをいただきました。 とても深い体験をなさっていて、このコメントから、ハート瞑想について、私も学ばせていただきました。 それで、読んでくださっているみなさまにもシェアーしたくなり、ご本人の許可を得て載せることにしました。以下、えりさんのコメントです。
不思議ですね。 ハートの瞑想をすると 絵はまだ未完の感じが有るのに こちら側で桜を見て、描いている 市場さんの目に成って 私が そこで見ています。 絵を客観的に見ると言うより 描き手と 見手が 一体に成る 初めての感覚です。 凄いリアリティー!!! 不思議な絵ですね。 ハートの中心で みんな繋がっているからなのでしょうかね。 ありがとうございます。 えり

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トーショーさん、ありがとうございました。
えりさんがおっしゃるように、まるでこちらまで夜桜を眺めているような感じでしたね。
エッセンシャルライフコンサルティング(ELC) コンサルタント養成コース 3期生募集 開催日時:平成26年8月1日(金)~3日(日)
お申し込み:お申込用紙に記載して、和尚アートユニティにお申し込みください。 電話受付:0467-23-5683 (和尚アートユニティ内:ユニティインスティチュート事務局
ELCコンサルタント養成コースレベル1 パート2は12月5日(金)~7日(日)を予定しています。 パート3は2015年3月に予定しています。

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